胃がん検診対象者の状態遷移を反映したマルコフモデルを構築し、胃内視鏡検査のみによる胃がん検診(胃内視鏡検診)と胃がんリスク層別化と胃内視鏡検査を組み合わせた胃がん検診(ABC検診)の2通りについて患者予後のシミュレーションを行った。・・・コホートシミュレーションの結果、40歳集団に対する胃内視鏡検診の期待費用と期待生存年が276,561円、25.50年であるのに対し、ABC検診は128,970円、25.55年であった。リスク層の構成比が異なる50歳集団、60歳集団の全てにおいてもABC検診は生存年を延長しつつ、胃がん関連医療費を削減した。