今後、簡便なラテックス法へ急速に移行すると考えられるので、現在本邦で使用可能な抗体の的確な評価が急務であり、…3社、先行法とラテックス法の抗体価分布を比較したところ、W-SとW-L、D-E とD-Lの間には各々有意な抗体分布差を認めなかったが、未感染で3U/mL未満になる割合が E-E 95% とE-L 81%と既報9) 同様有意な差を認めた…E-L法=「ラテックス法LZテスト‘栄研’H. ピロリ抗体」ではE-E法と異なった解釈をする必要がある。すなわち栄研のキット使用時にはどちらのキットを使用しているのかの確認が必須である。…未感染に対するRUT陽性現感染の精度は3社のうち栄研の2法は、ROC(受信者動作特性曲線)値とコマーシャルのCut off(添付文書)と乖離していた。各々のキットCut off未満のRUT陽性現感染(=いわゆる陰性高値)は、E-E 10%、E-L 12%存在したが(=陰性高値あり)他の4キットではいずれも約2%にとどまった(=陰性高値なし)…。抗体は直前の抗菌作用薬剤に影響を受けず採血で簡便に測定できるので検診には非常に有用だが、全員除菌時代になり、除菌はRUT,UBT,便抗原などのリアルタイムの感染状態を評価できる検査で現感染を確認して行うべきである。抗体単独で行ってはならない。