H. pylori 抗体測定試薬には測定原理の異なる酵素免疫測定法とラテックス免疫比濁法(以下ラテックス法)によるものがあり 現在、試薬メーカー3社がそれぞれ測定原理の異なるキットを販売しているので6種類キットが流通しています。ラテックス法は汎用機で短時間に大量の検体を測定できるので低コストであり、急速に市場を広げています。・・・・6試薬の同時測定の結果・・・・現感染の精度は栄研Eおよび栄研Lにおいてカットオフ値が添付文書と乖離していた。・・・・これまでのいずれの研究成績からも和光およびデンカ製試薬には陰性高値は認められない。以上の研究結果から、当NPOとしては、ABC検診の一次スクリーニングにはラテックス法の試薬としてLタイプワコーH.ピロリ抗体・J および H.ピロリーラテックス「生研」を推奨します。・・・・検査機関が試薬を変更する場合には事前にユーザーへの連絡が不可欠です。検診の実施主体が受診者に通知する結果通知には、ABC(D)E群判定、検査の実測値、検査値の判定基準、キット名を記入することが必須事項となります。・・・・検査値は胃がんリスク判定を左右します。検査機関が適切な試薬を用い、正しい検査結果を得るための精度管理は極めて重要です。「検診は受診者動向も含め生きて動いているもの」です。検診の実施主体、委託医療機関等関係者による検診検討会等を開き、定期的に検診の実施状況や結果を評価することで事業の円滑な運営と質の維持が可能になります。