血清Helicobacter pylori (Hp) 抗体測定は簡便で非侵襲的なHp感染診断法であり、胃がんリスク(ABC)検診にも用いられています。日本国内では日本人株由来の血清Hp抗体検出キットが適していると言われており、今まではEプレート‘栄研’H. ピロリ抗体Ⅱ(栄研化学)(以下、Eプレート)が汎用されてきました。Eプレートのカットオフ値は10.0 U/mLですが、最近では10未満の場合でもHp 現感染やHp 既感染のことがあることもわかってきました。つまり、本来はHp 未感染であるはずのABC検診におけるA群の中にもHp 現感染やHp 既感染が混入しているということであり、ABC検診における由々しき問題となっています。そのため、日本ヘリコバクター学会ではEプレートで3以上10未満(陰性高値)となった場合は他のHp 検査を考慮するよう注意喚起を出しています。