胃癌早期発見を目指すスクリーニング検査(上部消化管X線透視(UGI)・上部消化管内視鏡(EGD))の普及と生活環境の改善(ピロリ菌(Hp)除菌、減塩、禁煙等)により、近年、本邦における胃癌の罹患率・死亡率はともに減少傾向にあるが、2011年の悪性新生物罹患率では男性1位・女性2位、2014年の同死亡率は男性2位・女性3位であり、いまだ高位を占めている。
2014年に改訂された“ 有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン ”では、新潟県・鳥取県の症例対照研究や韓国のコホート内症例対照研究等で、EGD検診による胃癌の死亡率減少効果が示されたことにより、胃内視鏡検査の推奨グレードが“ I(対策型検診では推奨しないが、任意型検診では適切な説明に基づき個人レベルで検討する)”から“ B(対策型検診・任意型検診としての実施を推奨する)”へ変更された。