胃がん検出AI 胃がんの早期発見には内視鏡検査が有用であるが、見逃しを減らしより確実に早期胃がんを診断するためには訓練が必要である。そこで、内視鏡医の技量に関わらず高い精度で病変検出を行うために、胃がん検出AI が開発され、その有用性が報告されている。AIを用いることで内視鏡医の技量に関わらず高い精度で胃がんを検出することが可能になることが示唆された。胃がん深達度AI 早期胃がんに対する治療として、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が本邦においても世界でも広く行われている。ESDの適応を判断する上で、深達度は重要な要素の一つである。…胃がんの治療方針を判断する上で、M~SM1か、SM2以深かを正確に予測する必要がある。現状では胃がんの深達度予測は内視鏡所見に基づいて行われるが、術前の深達度予測と病理結果が一致しないこともしばしば経験されるため、術前深達度予測の精度向上が求められている。…我々は世界的にみても最大規模の画像データを使用し、通常光画像・狭帯域光画像・インジゴカルミン散布画像のそれぞれに対応した胃がん深達度予測AIシステムを株式会社AIメディカルサービスとの共同研究で開発した。通常光画像において…感度89.2%・特異度98.7%・正診率94.4%と高い診断能を示した。狭帯域光画像で…感度80.9%・特異度97.8%・正診率93.9%であった。インジゴカルミン散布画像で…感度89.2%・特異度97.6%・正診率94.2%であった…我々が開発したAIシステムは本稿執筆時点で世界的にみても優れた正診率を示し、術前の深達度予測精度の向上に貢献できるのではないかと期待される。…胃がん内視鏡AIの精度が向上すれば、内視鏡医の技量に関わらず、胃がん検出率の向上や、適切な治療の選択ができるようになる可能性があり、さらなる発展が期待される。