胃がんリスク層別化検査を長期観察している対象集団では、ほぼゼロといえます。これは、若年の段階で検査して分類を行っているため偽陰性が少ないこと、除菌歴などの問診がしっかり行われていることが要因です。しかし、これがすべての検診現場に当てはまるわけではなく、高齢になってから胃がんリスク層別化検査を行った場合には偽陰性が増えますし、不十分な問診で除菌歴のあるものがA群に入ってしまうことも少なくありません。胃がんリスク層別化検査が理想的に行われた場合、と解釈してください。しかし、噴門部胃がんなど、ピロリ菌感染を背景にしない胃がんも少ないながら存在するので、どれほど条件を厳しくしてもA群からの胃がんを完全にゼロにすることはできません。広島大学病院3161例の胃がんのうち21例、1%未満は、どのような検査を行ってもピロリ菌感染との関連がなかった、と報告されています。