1 胃、その他の消化器系に症状がある人。
2 胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎など治療中の人。
3 胃酸を抑える薬PPI(プロトンポンプ阻害薬;タケプロン、オメプラール、パリエット、ネキシウム)およびタケキャブなどを服用中の人。
4 胃を切除した人。
5 慢性腎不全の人。
6 ピロリ菌の除菌療法をした人。
7 抗生剤を長期に服用する病気(肺炎、中耳炎、蓄膿症など)の既往歴がある人
8 免疫不全・低下状態の人、ステロイド服用中の人
上記を問診で確認し、1~6に該当する人は胃がんリスク層別化検査の対象からはずします。「ピロリ菌除菌療法をした人」は、除菌の成功・不成功に関係なく、胃がんのハイリスク群として定期的な内視鏡検査が必要です。除菌成功者に定期的な内視鏡検査を勧めるのは、指導上難しいですが、「除菌療法で胃がんリスクの軽減は期待できるが、未感染者同様の胃がんリスクまでは下がらない。除菌後の胃がんも少なからず存在する」ことを、受診者に伝えましょう。抗生剤を長期に服用する病気(肺炎、中耳炎、蓄膿症など)の既往歴がある人も、知らないうちに除菌されている場合もあるので注意が必要です。抗ピロリ菌抗体産生の低下した状態(ステロイド薬を服用している人、免疫能の低下した状態)も注意か必要です。また、「おくすり手帳」を持っている人は、検(健)診時に持参して医師に確認してもらうことをお勧めします。A群でも一度は内視鏡検査を実施し、画像所見でピロリ感染の有無や既往・胃粘膜萎縮を判断するとよいでしょう。