血清胃がんリスク層別化検査は、採血だけで簡便に胃がんリスクをスクリーニングするマススクリーニングの手法であり、血清ペプシノゲン値、血清ピロリ菌IgG値を組み合わせて胃がんリスクを分類するもので、この2つの検査の組み合わせで胃がんリスクの層別化が可能です。血清ピロリ菌抗体検査は、ピロリ菌現感染だけでなく、既感染(無自覚に除菌された症例)もある程度拾い上げることができるので、便中抗原や尿素呼気試験よりもリスク層別化に適しています。従って、ピロリ菌抗体検査を、便中抗原や尿素呼気試験、尿中抗体検査などで代用することはできません。しかし、臨床現場で、血清ピロリ菌IgG抗体値以外のピロリ菌検査、便中抗原や尿素呼気試験、尿中抗体検査でピロリ菌感染を診断し、血清ペプシノゲン値による胃粘膜萎縮を評価したり、内視鏡検査やレントゲン検査で胃粘膜萎縮の状態を直接診断して、胃がんリスクを層別化することは可能です。