ごあいさつ(設立5年/2014年1月)

おかげさまで、当NPO法人は2008年8月の設立以来、8年が経過しました。また、2013年には認定NPO法人として認可されました。

2013年2月にはヘリコバクター感染胃炎に対する除菌療法の保険適用が拡大されましたが、胃がん検診の検査方法として国が推奨していたのは胃X線検査のみでした。そして、本年(2016年)2月の「がん予防重点教育及びがん検診実施のための指針の一部改正」(4月1日から適用)により、胃がん検診の対象者と実施回数が「50歳以上で2年に1回」となり、検診項目として「胃X線検査か胃内視鏡検査のいずれか」と、内視鏡検査が新たに対策型胃がん検診の検診方法として推奨されました。また、この指針では、胃がん予防健康教育を実施する場合、ヘリコバクター・ピロリ除菌等の一次予防と胃がん検診との連携が確保された実施体制に配慮、といった留意事項も記載されました。さらに、がん検診の事業評価を行うに当たっては、死亡率減少を目指して、胃がん発見率などの「プロセス指標」による評価を行うことが不可欠である、とされました。

これらの内容は、私たちがめざす「ピロリ菌除菌」を大きな柱とする胃がん対策に向けて、真に新しい一歩を踏み出したものと高く評価しております。
胃がんは、検診で発見する時代から、予知し、予防していく時代に入ったと言えます。

私たちは、ピロリ菌感染症としての胃がん対策として、
1)ピロリ菌感染と萎縮性胃炎の有無の2項目検査による胃がんリスク層別化検査(ABC分類)と、内視鏡検査を組み合わせた、胃がんリスク層別化検診(ABC検診)を行なう。
2)リスクに応じた定期的な内視鏡診療で経過観察を行ない、胃がんの早期発見につとめる。
3)ピロリ菌除菌によって、胃がんを予防する。
4)約80%を占めると期待される早期に発見された胃がんに対しては、開腹しない、胃を切らない内視鏡治療を行なう。
この4つを胃がん対策の柱として国内、そして海外にも普及させていく運動を、これからも続けて参ります。

ご支援よろしくお願いいたします。

2014年1月
三木一正